耐震等級3を目指す

建築基準法の耐震基準は大まかにいえば〈建物の中にいる人が外に避難するまでに倒壊しない耐震性能を確保する〉という考え方です

しかし多くの住まい手は、倒壊しないことは当然であり、その後繰り返される余震にも耐え、大きな支障もなく暮らし続けられる

そういう住宅を求めています

つまり、建築基準法と住まい手の考えは大きくずれている。またこのことを知らない(説明されていない)場合が多いと思うのです

熊本地震では基準法の1.5倍の耐震性能をもつ〈耐震等級3〉の住宅に大きな損傷は確認されていないそうです

地震力や地盤の状況や積載荷重(建物内に持ち込まれた家具等の重さ)によって〈耐震等級3〉であれば使い続けることができると言い切ることはできませんが、とりあえずそこを目標にするべきではないでしょうか

とはいっても〈耐震等級3〉を実現するためには、間取りの制約があったり、壁量を増やしたり(開口部を少なくしたり)、デザイン性の制約があったり  と思うようにいかない場合も多々あります

住まい手の要望と耐震性は時として相反することがありますが、僕は耐震性については当然すぎて要望にすらなっていないと考えています

設計者の使命は、知恵を出して両方がうまくいく建物を造ることだと思います