目標とするUA値について

UA値とは外皮熱損失量を外皮面積の合計で割った数値で「外皮平均熱貫流率 W/㎡K」です

住宅の断熱を検討する場合、甲府周辺は地域区分5ですので、断熱等級4をクリアーするためにはUA値を0.87W/㎡K以下にする必要があります

今はこの数値以下にすることは必須だと思いますし、ほとんどの住宅はクリアーしているでしょう

しかし設計において基準値以下のいくつに設定すればよいのでしょう

僕は今年の夏の経験から、UA値の最低目標を0.48W/㎡Kにすることにしました

0.48W/㎡KとはHEAT20(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術委員会)で提唱しているG1の基準値です

(ちなみにG2基準値は0.34W/㎡Kではるかに良い性能になります)

今年の夏

甲府盆地の熱い晴れた8月の午後3時、外気温度は約36℃の日です

竣工し引き渡し前の建物(UA値約0.5W/㎡K)に入る機会がありました

この建物は前日の夜から窓・カーテン・掃き出し窓のシャッターをすべて閉めてあり

電気のブレーカーを落とした状態でしたので換気扇やエアコンなどは動いていません

つまり建物単体の断熱性能がわかる状態です

ちなみに広い敷地で樹木等もなく、建物全体に日射があたる建物でした

玄関から室内に入ると涼しく感じました。熱気は上昇するので当然だと思いました

2階は熱いだろうと思いながら上がってみると、体感では1階とほとんど変わりませんでした

さらにこの家には小屋裏収納がありましたので上がってみても1階と変わらない体感でした

温度は測っていませんが、僕にとって室内全体が変わらないという体感は温度数値よりも腑に落ちる体験でした

この経験から目標は約0.5にしよう、それならばHEAT20のG1基準に近いので0.48を目標にしようと思ったのです

生活が始まればいろいろな熱源(人・台所・浴室・照明・家電・日射・外気)が入ってきます

このため冷房や暖房をうまく使いながら快適な生活をすることになりますので

建物が持っている断熱性能は冷暖房の能力や運転時間によりわからなくなってしまいます

そこが断熱性能設定の難しいところだと思うのですが、僕はこの目標を達成する設計を目指したいと思います