約2年ほど前にソフトを追加し、年間を通して時間ごとの室温のシュミレーションができるようになりました。もちろん日射や生活熱も考慮した実生活に即した計算結果です

これができることは、設計にとって大きな意味があります。

今までは完成した家の状況から、このUA値ならこのくらいというあいまいな感覚で判断していました。今では設計段階で様々な断熱材によるシュミレーションができ、暖冷房を考慮するorしない場合などの室温を検討することにより顧客と一緒に判断できるようになりました。

例えば、この断熱仕様では冬の朝7時のリビングや洗面所の室温は○○℃でこちらの断熱仕様にすると○○℃になります。 また無暖房の場合でも夜10時の脱衣室の室温は○○℃です。 尚、リビングの南の窓幅を90cm広げると日射熱をさらに取り込めるので晴れた日の室温は○○℃上昇します。年間通しての光熱費の差はおおよそ何円で工事費の差額は約何円です・・・・・といった具合です

さてUA値の話です

冬季の室温はUA値だけでなく、窓からの日射熱で大きく変化することは以前述べた通りです。では目標UA値はどうやって決めればよいのか。

そこで実際の設計物件で様々な断熱仕様のシュミレーションを行い、同じ条件で断熱仕様を変え結果を見てみました。(断熱仕様は一般的な材料で施工上可能と思われる範囲で5パターン設定しました。尚それぞれのUA値と室温はプランにより変化します)

時間ごとの細かい結果はここでは書ききれませんが、無暖房条件での平均室温を以下に記載します

この結果を見て断熱仕様及びUA値をいくつにするかは設計だけで判断することではなく、いろいろな選択肢の中で顧客と相談して決定することだと感じました。これもシュミレーションのおかげですね。

僕の事務所では、プラン作成時に当面5パターンの断熱仕様で提案し、顧客と最適な仕様を決定していこうと思います

プランと断熱仕様の組み合わせから、どの室温で設定するかを検討し、結果としてUA値が算出されるといった感じでしょうか